名古屋市立大学病院でANSURサージカルユニット(ANSUR | Surgery製品情報 | ASAHI INTECC PRODUCTS (asahi-intecc.com))を用いて、1人の医師のみで胆摘を行ったそうです。
ロボットアームを用いて一人で手術する時代。とても素晴らしい技術となった一方で、確かな手元技術と急変時の対応が行えるのが前提だと思います。
昨今では、
①拘束時間の長い外科医を志す医学生が減少
②働き方改革で手術見学時間の減少
③手術の助手として夜も呼び出され参加して技術を学んでいたことも都市部では少なくなる。
いろいろな理由で外科医が少なくなっているので、このような一人でも手術できるユニットが開発されたとのことですが、本当に一人で手術を行うのは危険だと思います。
思い込みによる左右間違え。手技間違え。患者間違え。そのようなことが横行する気がします。2人以上の患者認証や手技確認は必要だし、急変時対応も医師1名では、開腹手術への切り替えも遅くなってしまいます。
今回胆摘だから良いという問題ではありません。これが発表され、医師一人でも手術できるからもっと患者へ手術をしろ。効率性を重視しろ。といった医学知識のない経営コンサルタントや経営者が増えないことを祈ります。
医療訴訟となれば、訴えられた医師のメンタルは大変なのですから・・運悪く悪評がついたり、どこかに書き込みでもされようものなら・・・
あくまで、素晴らしい技術であることは言うまでもありません。hinotoriやダヴィンチといったいろいろなサージカルユニットが医学の質向上につながっていけたらより患者に優しい手術ができると思います。
世界初の手術に成功…名古屋市立大学病院が腹腔鏡手術支援ロボットで胆のう摘出 助手が要らず執刀医1人で(東海テレビ) - Yahoo!ニュース