シマウマのように白か黒か・・・

医療の片隅で思う疑問や思いをつづる三十路

気管挿管の難しさ

チューブを気管ではなく誤って食道へ・・・呼吸困難患者の救急対応時にミス 患者はその後死亡確認も医師は因果関係なしと判断(山形)(テレビユー山形) - Yahoo!ニュース

 

本日は、この話題を取り上げます。

 

記事によると、

⓵寝室で呼吸困難な状態であった。

②現着すると呼吸停止、心停止であった。

③口腔内には吐物があった。

④医師の指示があり気管挿管した。

 

まず、救急救命士の業務についてまとめられたスライドがありましたので拝借します。

 

特別講演3 医療機関に勤務する救急救命士に対するメディカルコントロール体制のポイントと留意点 (mhlw.go.jp)

 

まず、学校を卒業し、4通りの方法で救急救命士となり、地域のメディカルコントロール協議会の承認を経て、気管挿管認定救命士となります。

 

そして、コーマック分類のグレード1のみが認められています。

 

もしくは、ビデオ硬性喉頭鏡での手技となります。

 

今回どちらかは不明ですが、ビデオによる処置を行ったのでしょうかね。ただ、気管挿管するためには症例数を多く経験した救命士の方が行っていると思います。

 

そして、今回の事例で口腔内に吐物があったことから挿入が困難なのかなと思います。

 

気管でなく食道挿管されていたとのことですが、 医療事故情報収集等事業でもありますが、胃管挿入するはずで気管に挿入していたということも日常よく遭遇します。

 

実際ファントムという模型でしてみても手の間隔だけではわかりにくく吐物があれば迷入してしまうのもわかる気がします。

 

救急救命士の方々は多くの人の生き死にを見ても懸命に仕事してくださっています。

 

今回の事例が直接の死因になるとは全く思っていません。こうやって公表してもらえることで皆の意識の啓蒙に繋がります。

 

公表していただきありがとうございます。そして、亡くなられたひとにご冥福をお祈りいたします。