シマウマのように白か黒か・・・

医療の片隅で思う疑問や思いをつづる三十路

女性医師による治療は、女性患者で有益との報告から

東京大学UCLAの研究チームによる共同研究にて、後ろ向き検討を行ったところ患者の30日死亡率や再入院率を病院レベルに応じで症例を行い検討した結果

 

女性医師による治療を受けた場合に男女両方の患者の死亡率が低い。

特に女性医師から女性患者に対するケアを受けたほうが利益が大きかったとこのことでした。

また、女性医師による治療や再入院率は男性医師に治療を受けるよりも低い結果となったとのことでした。

 

いろいろと考えさせられることはあります。

まず、各国の男女医師数の比較を検討してみます。

 

OECD各国と比較しても日本は、格段に女性医師の割合が低く、2割しかありません。しかし、年齢階層別で考えると女性医師の割合が増加していておりますが、直近では横ばいであることが示されています。

 

診療科別で考えると外科系は女性比率が少ないこともわかります。

 

よって、日本で女性医師に治療を受ける機会がなかなかないのかなと思います。たとえ病院のホームページから女性医師を見つけ外来に行ったとしても手術・周術期管理をその人で指定できないのもなかなか難しい問題ですね。

 

ネットで書き込まれている内容としては、症例の難易度や重症度の違いです。

 

女性医師のほうが比較的重症度の低い患者を当てられているというものです。

この書き込みを検討すると難しいことがいくつかあります。

①女性医師の個人の労務環境について

・女性医師が時短勤務で残業できない場合は、軽症な患者やそもそも外来のみで病棟管理を行っていないケースもあるかと思います。また、当直や夜勤から免除されていることも昨今あります。詳細なケースは不明ですが主治医制を採用しているが、病棟管理を行っていたのは、別の医師というケースも往々にして数字に含まれているのではないかなと思います。

労務環境に準じたに院内・院外活動です。

・①にも含まれているかもしれませんが、院内の委員会や院外の学会司会者、座長、分科会、医局会の行事や雑務等本来業務以外の業務を男性医師のウエイトが高い気がします。その結果本来業務に使用すべき時間(患者に対して使用する時間)を奪われているような気がします。あくまで主観なのですみません。

 

医師という立場はあれど、女性へ踏み込んだ発言できない背景もあるかもしれません。セクハラ問題もケアという観点から女性の方が優れていると思いますね。まったく根拠はないですが、女性にやられて恥ずかしいと思う男性より逆の方が圧倒的に多いです。その観点から男性がケアプロセスを積極的に介入ですることは難しい世の中であることも一重にあるのかもしれませんね。

 

私も入院したことがありますが、主治医が女性医師でした。女性医師は何回か入院中に顔を出したことがありました。しかし、女性医師の家庭の事情で2日休み(おそらく子供の病気)となった時の代診医の男の人は、2日に1回の頻度で見えました。

まぁそれだけでこれがすべてではないですが、女性の方が決められた手順で漏れがないようにこなしていく気がします。

 

すべてがすべて肯定するわけではありませんが、男性医師が良い点は多くあります。本当に歴史的な発明をする。世界的名医と呼ばれ、後世まで語りづがれる人男性医師の方が多いです。日本に限ったことを言えば、男性医師の方が多いからでしょうね。

 

医学の難しいことは、同じ病気で比較しても患者背景を含めまったく同じ時間・症状で比較することができないことです。

 

男か女という性差で比較した論文ですが、女性医師に治療をお願いしたいということもあるかもしれませんが、病院単位でチームとして取り組んでいけばおのずと女性医師が診察・治療した結果に近づくと思います。

 

みんなで一緒になって患者を診ることが重要ですね。

 

世界各国比較|医師の男女比ランキング・年代・診療科別 - ラボコート (labcoat.jp)

 

Comparison of Hospital Mortality and Readmission Rates by Physician and Patient Sex | Annals of Internal Medicine (acpjournals.org)

 

400238373.pdf (u-tokyo.ac.jp)